サイナスリフト手術
2012年も残すところあと僅かになりました。
当院は、12月28日の午前をもって今年の診療を終了致します。
年末は家の大掃除だけでなくお口の中も綺麗にして年を越される患者様が多く、また、今年中に手術を受けて年末年始はゆっくりされる方など年内のアポイントはかなりタイトになってきました。
昨日は、インプラント手術前に行う上顎のサイナスリフト手術を行いました。
サイナスリフト手術とは
上顎臼歯部の上部には上顎洞と呼ばれる空洞がありますが、人により洞底線が下方まで伸びているため、インプラント埋入に必要な量の骨が確保出来ない事があります。
サイナスリフトは、上顎洞の粘膜(シュナイダー膜)を上顎洞から剥離して拳上、その拳上によってできたスペースに人工骨や他部位から採取した自家骨を移植することにより上顎洞底線の位置を上げ、インプラント埋入手術に必要な骨の厚みを確保する方法です。
当院では11年前よりこのサイナスリフト手術を取り入れて、上顎臼歯部のインプラント埋入を可能にし、多くの患者様に喜んで戴いております。
昨日の患者様はシュナイダー膜が肥厚していた為、大学病院の耳鼻科と連携し、そこで処方された内服薬を半年間服用して戴き、CT撮影でシュナイダー膜の肥厚が改善された事を確認して、昨日手術致しました。
手術にあたっては、ピエゾサージェリーを使用しました。
ピエゾサージェリーとは
ピエゾサージェリーとは、インプラント手術の際に超音波振動を使って、骨を切削する新しい装置で、ピエゾサージェリーを用いると、非常に正確で緻密な骨切削が可能となります。
数100μmの微細な振動により、非常に滑らかな切削面が得られ、正確で予知性の高い施術を行うことができます。 ピエゾサージェリーの最大の特徴は、骨を切削しても、皮膚・粘膜・血管・神経などを傷つけないことです。歯肉や粘膜を痛めずに安全な手術が可能となります。
ピエゾサージェリーは、Dr.Tomaso Vercellotti(トマソ・ベルセロッティ)によって考案された現在最も注目されている手術器具で、三次元超音波振動を利用することで切削部分の長さ・深さを正確にコントロールが可能です。これにより、神経や血管などの軟組織を傷つけず安全に骨だけを切削することができます。当院では昨年11月にピエゾサージェリーを導入し、患者様のご負担を更に軽減する施術を行っています。
ピエゾサージェリーによる繊細な施術は、インプラント、歯周外科などにおいて多くの可能性を示しており、骨移植、歯冠延長術、骨性癒着歯の抜歯にも応用され、施術の安全性を高めています。
最小限の骨だけを削り、負担も最小限に
従来の回転器具と比べると最小限の骨を安全に削ることができるので、今まで施術できなかった患者さんに対して、よりよい治療を施すことができます。ピエゾサージェリーを使用すると骨密度を上げることも可能であるため、骨が薄くてインプラントができないと言われ治療をあきらめていた方も治療ができます。施術にかかる時間と、患者さんのストレスが軽減されます。
当院では、これからもより新しい診療体制を目指して頑張ってまいります。